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周りの音が遠くてでも近くに聞こえる

周りの音が遠くてでも近くに聞こえる 音が途切れたような世界のなかにいる。私はどこかで選ばれて何かを秘めているに違いないと思っていた感情がどんどんと遠ざかっていく。 空中から押し寄せて一体どこにたどり着こうとしていたのだろう 人は何も知らないこ…

犬が蛇だった

大きなものたちがスルスルと自分の中から消えていく離れていく私が築き上げてきたものはどれもすごく不明瞭なものたちだった。夢で車の中に白い蛇が現れてあれは確かに私の飼っている犬だったんだけれど とにかく姿は蛇で 私の周りに巻き付いたあとスルスル…

被写界深度

今日も何処に焦点が合わせられない クラクラとする 自分のカメラの好きなところはある場所に焦点を合わせると それ以外のところはすごくボヤけるところ 私だってそうして観ていたい 何処もかしこもに情報があって 擦り切れた 眼の端ですら観たくないものも掴…

誰かが大切に何かに思い詰めながら発した言葉は当たり前だけれどこの世に堕ちている言葉と比べものにならない程美しくて 毎日わたしはわたし達は色々な人の言葉を見て そしてその言葉について考えているけれど 発した人がどれ程考えて作り上げた言葉なのかと…

架空の人物

昔見た演劇で忘れられない人が居た彼女が実在の人物では無く物語にしか存在しない事の意味が分からず自分自身が半分彼女に乗っ取られ友人が話した舞台についての見解を聞いて全身を酷い寂しさと恐怖が包み動かなくなってしまった事があった あの時わたしを乗…

Xとyを求めよ

Xとyの値を求めよと言われていつまでもその答えがわからなかったときそれは、Xとyがそもそも何処から来たのか何故その名前なのかそれすらも分からないからだったのだけれど 今は分からない分かった所で私には何ら関係のないXとyの答えばかりを求めていた頃に…

立ち入り禁止なんて言ってない

最近見つけた中で1番大好きだった壊し途中の家が更地になってしまった 此処にこのままあっても意味はもちろん無いし確かに破壊し新たな土地にするべきなのだけれどわたしにとってはとても美しい建物だった入れない畳の背後のドアの階段の奥から差している光…

幸せな盲目

それだけでもう それ以上のものは入らないはずだよわたしの身体 何かを信仰する程好きになってしまうともうもはや盲目何回見てもそれは一つのストーリーの続きでしかなくて単独での評価ができなくなる もはや目が見えていないようなもの目で見えているものな…

メモ

生きていくとこは 死んでいくことだから死ぬときとてつもなく大きなものを破壊するほどの悲しみを手に入れるために今は愛とかをしたいなって思い始めてきた それは破壊されるとわかっている大きな破壊材料としての愛ということ わたしは'何かをする'ことに執…

偽物の金魚

偽物の金魚飼ってる家を見つけた本物の綺麗な水がちゃんと張ってあってその中には生きていない偽物の金魚が泳いでいた 悲しかった 生きものを買うという責任をやめてしまったのだろうけれどそこにある本物の水には生きものを捨てきれない気持ちも備わってい…

おもいで

小さい頃にとてもお世話になった女の人がいた。彼女は「おとな」でわたしは小学生だった。彼女は美人でわたしにとても優しかった。彼女はわたしのお家に良く遊びに来ていた。わたしも彼女の家によく遊びに行ってどうぶつの森をやったりした。キラキラのスラ…